金継ぎ皿修理(1回目)素地固めまで
皆さまお久しぶりです。
今回は、職場の同僚から相談を受けた割れたお皿の修復作業を数回に分けてお話ししようと思います。
数日前、職場の女性スタッフさんに『割れたお皿って簡単に直せますか?』と言う質問がありました。『観賞用の修理なら数分、実際に食用として使うなら数ヶ月かかる』旨をお伝え。自分で直したいようでしたが、漆を使うのでやめた方が良いとお伝えしました。漆の怖さをご存知ないことと、結構大変なので・・。
でお預かりしたお皿がこちら
1枚はパックリ割れ、2枚目はヒビが入っていました。(ただ、ぐらぐら揺れるので修理方針が決まらず・・)一旦、方針を考えながら割れた角の部分を全てダイアモンド精密ヤスリで面取りします。ヒビ部分は、ケガキ針を使いV字型に溝を作ります。金継ぎの中で一番疲れる作業です。(自分のものなら気にせずゴリゴリ削りますが、預かり物なので気を使います)
Vカットを入れている途中、やはり割れました。(予想はしていた)基本的に、ビビが入っている部分が動くと使用中に割れたりするので割れてくれて良かったと思っています。お陰で修理作業自体は楽に出来そうです。
次は、素地固めと言って割れた面に漆を薄く塗っていきます。使う道具は、細い筆、テレピン油、生漆(きうるし)ゴム手袋、ティッシュ、ガラス板、スポイトです。
ガラス板の上に漆をのせて、テレピン油を使い薄める。
皿の端部に薄めた漆を筆を使い薄く塗る。
ティッシュペーパーなどで塗った漆を拭き取る。
風呂(段ボール箱に濡れタオルを入れ湿度を保つ)に皿を入れ乾燥させる。
とりあえず。初回の下準備はできました。数日間乾燥させてから接着していきます。